日本で活躍するファッションモデルの中でも、随一の個性派である畠山千明。モデルとしてキャリアを積みながら、妻であり、母であることも隠さない。最近、彼女らしいセンスが光る結婚式を挙げたばかり。また、大のファッション好きで、私服のセンスの良さでも知られている。前半のインタビューでは、彼女のファッション観やモデルの活動、プライベートについて話を聞いた。

― ファッションに目覚めたきっかけは何でしたか。

両親がとても洋服が好きだったことです。これは遺伝なんじゃないかなと思いますね。幼稚園くらいだったと思いますが、この洋服には、この髪型がいい!みたいなこだわりが強くて。その後、ギャルだった時代もあり、109に売っているような、人と同じ服が着たくて流行を追っていた時もありました。田舎育ちで無知だったので、洋服について学んだこともなかったんです。でも、その時に付き合っていた男性に「似合わない」と言われたことがショックで、「自分にはこういうギャルの服は合わないんだ。自分に似合う、全然違う格好ができる世界へ行ってしまいたい」と思ったことがきっかけで、渋谷から原宿のファッションへシフトチェンジしました。

スカート:ピエール=ルイ・マシア ¥54,000+TAX

― モデルの仕事を始めたきっかけについて教えて下さい。

もともとはモデルになるつもりなんてなかったんです。でも、原宿の洋服屋さんで働いていた時に、エキストラのモデルオーディションに声をかけてもらって。それが「VOGUE JAPAN」のマリオ・テスティーノの撮影でした。原宿をテーマに撮影する企画だったのですが、ギャラ欲しさに参加して(笑)、一番最初に選ばれたのが嬉しかったです。その後、少しずつ作品撮りやモデルの仕事をいただくようになっていき仕事の数が増えたこともあり、「zucca」というモデル事務所に入りました。実は、昨年日本で、マリオ・テスティーノのポートレイトの作品撮影があり、再び呼んでいただき撮ってもらえたのも何か縁を感じますね。

― 私服のセンスの良さでも注目されていますが、何かこだわりはありますか。

特にこだわりは無いのですが、スタイルが悪く見える服は着たいと思いません。とはいえ、ボディラインが見えるピチピチの服というわけではなく、服の丈の長、短など、言葉にはできないバランス感が自分の中にあるようです。私にとって、洋服はパズルみたいな感覚で、組み合わせていいバランスに仕上げるのが一番の楽しみ。音楽も聴かないし、カルチャーも知らないけど、そのバランスこそが洋服を着る時に大事にしていることだと思います。

― 坊主にしたヘアスタイルが印象的でしたが、何にインスパイアされたのでしょうか。

モデルをする前に、ファッション雑誌「PERK Magazine」のコムデギャルソン特集に出ないか声をかけてもらったことがありました。全くモデル経験なしでしたが、坊主にしたら載せてくれると言われて。すでに子供がいたので、あまり奇抜なことはしたくなかったんですけどね。2cmの坊主にしたらもっと短くして欲しいと言われて、結局3mmに。やってみたら意外と似合っていたみたいで、「頭の形が良くて似合うね。」と美容師の夫に褒められました。

― 妻になってよかったことは?

結婚すると、ひとりの人と同じ屋根の下で暮らさないといけないわけですよね。なので、感情をぶつけるだけではなくて、ちゃんと話し合って解決策を探せるようになったと思います。子供がいれば、なおさらですよ。共働きでもあるので、夫婦の助け合いが不可欠なんです。言葉使いも相手がどう思うか考えて、オブラートに包み、思いやりを持って言葉を発するようになりました。

― 一児の母でもあります。子供を産んで何か変化はありましたか。

自分の中にも母性があることが分かったことが嬉しかったです。私を見て育つので、物事の善悪についても見直すいい機会だと思っています。大人になると叱ってくれる人も少なくなりますが、これは真似されたくないと思ったら気をつけなきゃ、と自分の中で正したり。どんな親もそうだと思いますが、かわいさの余り自分の子供は自分のものと、物差しが狂いそうになるんです。でも、全く別の個人だと気づけたことでしょうか。最近は、娘の主観が面白い。「ママは髪の毛がオレンジでかっこいい方がいい」って言ってくれたのが嬉しかったですね。こういう髪の毛の色だと、子供がいじめられないか、心配してくれる方もいて心にずきっと来るのですが、本人がそう言ってくれるのは心強いです。

― スタイルの維持や美容で気にかけていることはありますか。

23歳の時出産しましたが、若かったこともありあまり体型に変化がありませんでした。そのままの調子で大好きなラーメンを食べていたら、去年5キロくらい太ってしまって。慌てて体作りをするようになりました。主にランニングと自炊ですが、学生時代にバレーボールでやっていたトレーニングの経験が活かせたこともあり、筋肉や体が綺麗になってきたと思います。あと、間食やよく買っていたコーヒーも減らすようにしました。すると、肌の調子も整っていきましたね。メイクアップも大好きで、外に出るならきちんとフルメイクしたいタイプです。いつも服装にあったメイクをきちんとしていたいので、リップだけみたいな半端なメイクはしません。

― スタイリングのポイントと撮影場所を選んだ理由を教えて下さい。

この真っ赤なブリティッシュチェックに惹かれました。ここまで鮮やかな赤は、見たことないと思ったんです。一見派手ですが、着てみるとコーディネートの良いポイントなるんですよね。スカートはキルティングで形もかなり膨らんでいるところを際立たせたくて、トップスはなるだけコンパクトにしたいと思いました。なので、イギリスで購入したヴィンテージのライダーズを合わせることに。やっぱり、パンクなスタイリングは好きですし、それを体現できる立ち位置にいると自負しているので、このようなコーディネートになりました。撮影したロケーションは、所属するモデル事務所で。モデルを始めた原点に立ち戻りたいという気持ちから選びました。

Photograph_Ahlum Kim
Hair&Make-up_Mutsumi Miyazaki
Writing_Aika Kawada
Direction_Taro Kondo(TAROL!NGAL)

畠山 千明

モデル

ヴィンテージショップバイヤー、フリーモデルを経て2017年よりモデル事務所に所属。一児の母である。バズカットの火付け人であり、独自のセンスと感度の高さからスタイリストとしても活躍する。新宿伊勢丹 x Chiaki Hatakeyamaのコラボイベントが開催されるなど、業界人が認めるファッショニスタである。唯一無二のファッションアイコンとして世界有数のフォトグラファーから撮影のオファーが絶えない。

Instagram: @chiaki_hatakeyama

「Pierre-Louis Mascia」のこと。

ヴィンテージショップバイヤー、フリーモデルを経て2017年よりモデル事務所に所属。一児の母である。バズカットの火付け人であり、独自のセンスと感度の高さからスタイリストとしても活躍する。新宿伊勢丹 x Chiaki Hatakeyamaのコラボイベントが開催されるなど、業界人が認めるファッショニスタである。唯一無二のファッションアイコンとして世界有数のフォトグラファーから撮影のオファーが絶えない。

Instagram:@pierrelouismascia