_アートディレクター・ヘアメイクアップアーティストとして表現者として参考にしているもの、影響を受けた物などはありますでしょうか?

90年代のカルチャーが好きで、その当時のファッションショーや作品からインスピレーションを受けることが多いですね。ガリアーノやミュグレー、ジバンシィ時代のマックイーンのコレクションが特に好きでした。バブルの時代の華やかな演出など、パワーを感じるコレクションが多く、その当時の有名なフォトグラファーやスーパーモデルなども盛り上がっていた時代だったんです。

当時、自分は高校生で、その時代の作品からとても刺激を受けたことが今の自分の表現の引き出しのひとつになっています。数々のショーの中でも一番印象に残っているのが、ディオールですね。あるコレクションのメイクの表現が当時とても斬新で面白く、それをハイブランドで行う事自体が新しくて、こんな事やってみてもいいんだ!と感銘をうけました。

_学生時代から、ファッション・美容業界の中で活躍し続けられている奈良さんの活動の原動力となるものはなんでしょうか?

やはり、賑やかだったり、華やかな所。そういう世界が好きという事が原動力ですね。出身は埼玉県なんですが、ここにいてはダメだと思って笑。東京の高校に進学しました。

_ご自身の活動についても海外進出なども考えられますか?

それが、今はまったく海外進出したいと思わないです。20代の頃には留学を考えた時代もあったんですけど、実際いろんな国に行ってみて最終的に感じたのは、「結局、東京が一番面白い。」そう感じました。ヨーロッパなども流行の最先端ではありますが、ヘアの技術などは前衛的ではなく、クラシックなものが主流だったりと、思い描いていたものとのギャップを感じ、改めて東京の技術の素晴らしさを再認識して帰国しました。

_また、ヘアメイクやサロンワークをする上で、気をつけていることを教えてください。

今はヘアメイクアップアーティストをメインとして活動していますが、どんなお仕事でも「初心を忘れない」という事を心掛けています。経験を積むと色んな事に慣れてしまいがちなので、そこは自分の気持ちを引き締めて何事にも取り組む様に気をつけています。

_SHIMAに入社したきっかけはなんですか? また独立などではなく現在も所属し続ける理由は何でしょうか?

学生の頃から色んなサロンに通っていましたが、その中でもSHIMAは当時から抜群におしゃれだったんです。スタッフも当時トガったヘアスタイルやファッションの人が多く、とても刺激的でここで働きたいと思ったことが入社したきっかけでした。19年経った今もなお、社長の考え方に共感し、尊敬しています。

独立という道を選ばないのは、SHIMAに所属しながらも今の自分にとって活動しやすい環境である事が大きいですね。自分の適性を考えると自分はやはり経営者と言うよりも、表現者としていることの方が向いていることに気づいたからです。

_SHIMAという場所をひと言で表すと?

しいて一言で言うなら“ホーム”ですね。人生の半分はSHIMAに携わってきました。自分にとって、かけがえのない場所ですね。

_DJや、美容業界の垣根を超えたジャンルの中で活躍されていますが、自分の中で意識していること、気をつけていることはありますか?

海外では、ヘアサロンとファッションがすごく親密で垣根がほとんどないのですが、日本は少し違っていて、美容業界とファッション業界があまり繋がっていない印象です。日本では美容専門雑誌も多く、「美容業界」というある意味確立した世界観が、明確にできていているように感じますね。

自分は、美容師というジャンルでひとつにくくられるのが嫌なんです。そういった気持ちから、その世界の中で凝り固まってしまわない為に、なるべく自分がいる業界以外の人達と交流を深めるように昔からしていました。流行は外から生まれてくるものなので、外の業界と携わって仕事をしていかないと自分が作るものも新しく発信していけないと早く気づいたんです。
外に出かけて色んなことを体感することで、新しいものを吸収することができますし、やはり第一線で活躍している人達から刺激をうけることは多いですね。

_本日Pierre-Louis Masciaを着用されてみて、どんな風に感じましたか?

モノトーンなどのシンプルなスタイルも好きですが、今までも沢山色んな服を着てきて柄物の服が元々好きな事もあるので、すぐにコレにしよう!と直感で選びました。今日のようにセットアップで着ても、異なるアイテムと組み合わせてコーディネートしても素敵だと思います。正直、今まで知らなかったんですが、今後も着たい!と思えるブランドに出会えました。

_都内でもヘアサロンは沢山あり競争も激しいと思いますが、その中で生き残るために必要なものはなんだと思いますか?

今の時代、美容室がコンビニより多い時代と言われています。その中で閉店していく美容室が多いのも事実です。昔よりも皆が技術も上手くなっていると思いますし、WEBやSNSの発達もあり、情報が簡単に手に入るようになって、ヘアの技術も簡単に真似できたり再現できてしまいます。もちろんそれがすべてではありませんが、色々な角度から生き残ることが難しくなっていますね。だからこそ、突出した存在感やキャラクターなど、「この人にやってもらいたい!」という明確な存在意義そのものがないと生き残っていけないと思います。

_今後の野望を教えてください。

実は、小学生の頃から水彩画を始めて、中高生まで油絵を習っていたこともあり絵を描くことが好きなんです。今後は “絵を描くこと”で今までやったことのない表現ができたら面白いですね。機会があればエキシビジョンなどにも挑戦してみたいです!

写真:Minori Nakada

奈良裕也

SHIMA HARAJUKU アートディレクター&ヘアメイク

ヘアメイクをベースにサロンワーク、FASHION MAGAZINE・美容業界誌やHAIR SHOW、トークショーでの活動。コスメティックのコラボレーションなどヘア&メイクアップアーティストとしてモデルや女優、海外のアーティストやセレブリティを手掛け、カタログやコレクショ ン等でも活躍中。
また自身も東京のファッションアイコン的存在として活動は多岐に渉る。

Instagram:https://www.instagram.com/yuyanara/

「Pierre-Louis Mascia」のこと。

イラストレーターとして活躍するフランス人デザイナー、ピエール=ルイ・マシア氏による、スカーフを中心としたファッションアクセサリーブランド。
彼の創作のインスピレーションは、1900年代初頭のヨーロッパの文化や、その地域のアーティストから得たもの。詩情をたたえた都会的でタイムレスなデザインによって、ラグジュアリーの新しいカタチを、提案し続けている。

Instagram:https://www.instagram.com/pierrelouismascia/

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