_スタイリストの仕事において、自分のスタイリングと他人をスタイリングすることの違いはありますか?

そんなにないかもしれません。結局は見た目とか、身体とかではなく、着る人自身や中身のほうが重要だと思っています。先日福島県でおじいちゃん、おばあちゃんに洋服を着せる、ファッションショーイベントを行ったんです。地元のイベントのような感じで。

最初は、出演者のおばあちゃん達も緊張していましたが、ティアラをつけた瞬間、目を輝かせて、他の方たちも「私も、私も!」と皆が言い出したんです。その瞬間に、[服が似合った]と感じました。その後は皆さんノリノリで、楽しんでファッションショーに挑んでくれました。

着せるときも、実は、着る人自身が選んだり、自由に着てもらったりしたほうが似合っていることもあるんです。普段その人がどんな風に服を着ているかも重要だと思っています。

_Pierre Louis Masciaを着てみて、どう思いましたか?

すごく着やすいし、デザインもいいと思います。着ていてすごく楽で、いい意味でパジャマみたい。想像していたよりも肌触りもよくリラックスできます。大人の方が着る印象があったけど、僕みたいな若い世代にも取り入れやすいと思いました。

_大切にしていること。自分の軸となっているものはなんですか?

“周りの人のこと”はあまり気にしないようにしてますね。今20歳で、まだまだ年齢も若いので、とにかく努力したり、経験することが大事だと思っています。妬み、嫉みなどで他者を気にしていたら時間の無駄だなと考えていて、自分が気にすべきところは、周りの人達への感謝など、ポジティブな面を気にすることだと思っています。

_影響を受けた人はいますか?

歌代ニーナさん、フィッシュマンズのZAKさんです。

_具体的なエピソードがあれば教えてください。

歌代ニーナさんとは、以前一度だけ食事に行った際に色々な話をしました。彼女は障害をもっている子供たちに馬術を教えているそうです。当時僕は、ファッション業界の中で、ファッション以外の社会のことに目を向けている人は少ないと思っていて、職業などでなく、その人のパーソナルな部分を大事にする彼女のその姿勢に、容姿や肩書きのラベリングではなく、その人がどんな人生を歩んできたかが大事な事だなと、改めて感じるきっかけとなり、その時に自分の中のモヤモヤしていた部分がすっと心に落ちました。

ZAKさんとは以前、[水曜日のカンパネラ]のライブツアーの時に出会ったんですが、鹿児島県の桜島で、夜の海辺にコムアイとZAKさんと3人で寝転んで話していました。その時に「この海の音も音楽で、砂の感覚もすべてが繋がっているように、衣装、演出、音楽は一貫して、すべてが繋がっている。」という言葉を聞き、全ての事柄って繋がっているんだなと感じました。その瞬間、自分の中の概念がガラッと変わりましたね。

_自身のWEB SHOPで、手書きでつづる人生相談を行っていますが、なぜ始めようと思ったのか、またなぜ手書きにこだわったのでしょうか?

もともとSNSで、深い人生相談を受ける事が多かったんです。最初は投稿で返していたけど、メルマガのようになりたくなくて。メールは温度感がゼロだし、温かみを感じない。ちょうどそのくらいのタイミングでWEB SHOPをやらないかというお話しを頂いて、そこで悩み相談として販売することにしました。

SNSで僕の事を知ってくれた人だからこそ、手書きで書くことで、僕もひとりの人間なんだよと伝えたい気持ちもあって。人生相談に対してあえて価格をつけたのは、対価を払うことで、きちんとした形での悩み相談がくると思ったから。タダだと、気軽にどんな内容でもメッセージで来てしまいます。実際、価格をつけたことで、真剣な悩み相談をたくさん頂きました。それぞれの相談には、ひとつひとつ丁寧に向き合って答えています。頂いた悩みを理解出来るとは思っていませんが、僕だったら少しは分かるから、と思っています。

_どうしてそんなにはっきりと自分のこころや頭の中の考えを話せるのですか?

自分でもそんなにできているとは思わないですけど、なるべく考えている事を言葉に出すようにしています。以前は気持ちを外に出さないようにしていましたが、結果爆発してしまうこともありました。それから今ではなるべく言葉に出すようにしています。喋ってニュアンスが違ったなと思うこともあるけれど、若い今だったら、とにかくやってみて、失敗して覚えていくことも沢山あると思っています。

(_後編へつづく)

写真:Yoko Kusano

_POP UP Information

8/24(Fri)~8/26(Sun)
「清水文太のpopupショップ」@The Four_eyed

自ら買い付けた古着、清水文太のグッズなどを販売し、ゲリラシューティングなども開催。
場所:東京都新宿区歌舞伎町2-8-2 パレドール歌舞伎町1F(ホテルアビスの奥)
営業時間13:00~21:00
p.s.ゆるくやります。来てね。

清水 文太

スタイリスト・クリエイター

1997年生まれ。17歳の時短期間でのスタイリストアシスタントを経験。児童館やたい焼き屋・八百屋での勤務もしていた。
19歳にして水曜日のカンパネラのツアー衣装を手がける。
モデルとしてdoublet・DolceandGabbana・Mihara Yasuhiro のショーにも出演。

その活動の他に、装苑・Web magazineでのコラム執筆。自ら買い付けした古着のpopupショップ、渋谷TSUTAYAでのデザインディレクション、ギャラリーでのアート展示なども行う。鈴木えみやスチャダラパーBose・あやまんJAPANファンタジスタさくらだなどのスタイリングも行い、スタイリスト・クリエイター・アーティストとして多岐にわたる活躍を見せている。

Instagram:https://www.instagram.com/bunta.r/?hl=ja

「Pierre-Louis Mascia」のこと。

イラストレーターとして活躍するフランス人デザイナー、ピエール=ルイ・マシア氏による、スカーフを中心としたファッションアクセサリーブランド。
彼の創作のインスピレーションは、1900年代初頭のヨーロッパの文化や、その地域のアーティストから得たもの。詩情をたたえた都会的でタイムレスなデザインによって、ラグジュアリーの新しいカタチを、提案し続けている。

Instagram:https://www.instagram.com/pierrelouismascia/